RS FANTASY

りくそらたのファンタジー小説おきば。
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LOVE PAHNTOM第1章  運命の扉-10-
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LOVE PAHNTOM第1章 運命の扉-10-

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アイシェは暗闇の中、目が覚めた。
目を開けると雨漏りをしたような染みがいくつも残る天井が見えて、ギシギシと梁がきしむ音と、波の音が鼓膜を揺らした。
「…夢…?」
ゆっくりと体を起こす。
そこは北へと向かう船の一室のベッドの上だった。
内容はあまり覚えていないけれど変な夢を見ていた。
激しい動悸がして、呼吸がうまくできない。
胸に手を当てると、かなり早く脈打っているのがわかる。
アイシェは大きく息を整えながら、首に下げた巾着型の袋を握りしめた。
萌葱色の巾着に麻紐を通したそれは、生まれたときから身に着けている大事なお守りだ。
これに触れるといつも心が落ち着き、気持ちが安らぐ。
時には自分に力を貸してくれるようにも感じる。
アイシェにとってなくてはならない大事なものだった。


しばらくそれを握りしめ、瞳を閉じていると次第に気持ちが落ち着いた。
汗で額に張り付いた髪を払う。
寝間着がじとりと汗で湿っている。
とりあえずぬれたそれを着替えようと、サイドテーブルに置かれた服に手を伸ばした。
「…ジェイ?」
布でしきった部屋の向こうで寝ているはずのジェイに、そっと声を掛けてみる。
アイシェのために部屋を取ってくれたのだが、旅の路銀が少ない為、小さな部屋をひとつ取るのが精一杯だった。
自分は他の男達と雑魚寝でいいからと部屋を出て行くジェイに、それでは申し訳ないからといって引き止めたのだ。
しつこいアイシェに根負けをして、その部屋を半分シーツで仕切り、ジェイは扉に近い床に寝ているはずだった。


返事がない。
ジェイが寝ていることに安心して、アイシェはぬれた寝間着を脱いで服に着替えた。
手持ちの服はさらわれた時に着ていた一着だけだ。
あとは船内に用意された麻の薄い寝間着が一枚。
アイシェは汗で汚れた寝間着を洗おうと、そっと部屋を仕切る布を開けた。
「…ジェイ?」
そこに寝ているはずのジェイの姿がない。
寝床も冷たくなっている。
部屋を出てからずいぶん経っているようだ。
「どこに…行ったの?」
部屋のドアをそっと開けた。
昼間とは打って変わって人の気配のない長い廊下を歩き、上へと続く階段を登る。
時折、梁がきしみ不気味な音を立てる。
昼間は賑やかさであまり思わなかったが、夜の船の廊下は窓もなく不気味だ。
閉ざされた空間だから、余計にそう思うのだろう。
さほど広くもない廊下を恐る恐る歩くと、ひとつだけ雰囲気の違うにぎやかな部屋の入り口にたどりついた。
「何? ここ…」
アイシェはおそるおそる部屋の扉を開けた。



ムン、と鼻をつくような臭いがして一瞬、顔をしかめた。
酒と煙管、海の男達の独特な臭いが入り混じった臭いだ。
そこは船内の酒場で、小さなカウンターを囲むように男達がひしめきあっていた。
カウンターの他に小さなテーブルが3つほど並び、男達の低い笑い声が響く。
その中にジェイの姿がないか、背伸びをして探す。
小さなアイシェにとって背の高い男達の中から探すのは至難の業だ。


「────よう。誰かお探しかな?」


突然、頭の上から声が降ってきた。




>>To Be Continued
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