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りくそらたのファンタジー小説おきば。
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LOVE PHANTOM第1章   運命の扉-12-
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LOVE PAHNTOM第1章 運命の扉-12-

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男達がじわじわと詰め寄ってくる。
このままでは思うつぼだ。
アイシェだけでもここから逃がしてやりたいが、自分の側から離す方が危険だ。
逃がしてもすぐに捕まってしまうだろう。
皆、酒が入っていて気が立っている。
乱闘騒ぎになるのは免れないのか───。
ジェイはアイシェの小さな肩を抱きながら、男達の出方を待った。




「その辺にしておけや」


ドスの利いた低い声が部屋に響いた。
突然降ってきた声に、皆の動きが一瞬止まる。
「何だてめぇ…」
リーダー格の男が眉を寄せて声の主を振り返った。
酒場の一番奥の席に、騒ぎに臆することもなくひとりの男が酒を飲んでいた。
テーブルに置かれた灰皿の上には無数の煙草の吸殻が山積みにされていて、何本目か分からない煙草に火をつけたところだった。
「いい大人がよってたかって。情けねぇな」
男は吸っていた煙草を口から離しため息混じりに煙を吐くと、低い声でそう言った。
「何だと!?」
その言葉に男達が声を荒上げる。
「どうやらてめーも、やられたいみてーだなぁ?」
男は胸の前で手を組み合わせ、ポキポキと指を鳴らすと奥の席の男を睨みつけた。
「俺たちにたてついた事を後悔するんだな」
男は見下すような視線でそう言うと、近くにいた数人の男達に声を掛けた。
「お前らはそっちの男をやれ! 女も逃がすんじゃねーぞ!!」
その言葉に気のそれていた男達の意識が、ジェイとアイシェに再び集中した。
「チッ」
騒ぎに応じてアイシェだけでも安全なところへ逃がせないだろうかと、思考をめぐらせていたジェイの考えが中断される。
男達の視線が一気にこちらに集中する。
最悪、ラグナは使える。
けれど、こんな狭い空間でラグナを使えばどういうことのなるのかぐらいは、容易想像できた。
簡単に使うわけにはいかない。
「…ジェイ」
アイシェがぎゅっと服を握った。






「やめろといってるのが、わからねぇのかっ!?」


ドンッ!とテーブルを叩く音と共に、ドスの効いた声が響いた。
その声に、船内が波を打ったように静まりかえる。
「ガツガツしやがってみっともねぇ!女は陸に上がってからにしろってんだ!!」
そう言って奥のテーブルに座っていた男が立ち上がった。
派手な音がして椅子がその場に倒れ、その瞬間、肩から掛けていた上着がパサリと床に落ちた。

日に焼けた浅黒い肌に、鍛えた筋肉。
ボサボサの髪に無精ひげをのばし、見た目は浮浪者のような身なりだが、髪の間から覗く黒とも藍とも取れる深い色の瞳は力強く鋭い。
肩口まで捲り上げられた袖口から覗く右腕に、立派な鷹の刺青が見えた。
それは今にも男の肩口から飛び立ちそうなほどリアルで、見事なものだった。


「お…おい、アイツ! あの刺青は…」
ひとりの男が声を上げ、リーダーの男に耳打ちをした。
「何!?」
その瞬間、男の顔色が変わった。
ざわりと動揺の波紋が辺りに広がっていく。
「…何…?」
アイシェが不安そうにジェイを見上げた。
ジェイは目を丸くして刺青の男をじっと見据える。
ボス格の男は舐るように刺青の男を見やるとチッと舌を鳴らした。
「今日のところはこの辺にしておいてやるよ!!命拾いしたなっ。
おい、行くぞ!!」
そう吐き捨てるように言い放つと、荒々しく扉を開けその場を立ち去った。
他の男達も頭になるものがいなくなると、尻尾を巻くようにその場から逃げるように消えていった。

その様子をジェイの背に隠れながらアイシェはぽかんと見送った。




>>To Be Continued


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