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りくそらたのファンタジー小説おきば。
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LOVE PHANTOM第1章   運命の扉-15-
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LOVE PAHNTOM第1章 運命の扉-15-

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次の朝、目が覚めると、カーテンの向こうにジェイの姿はなかった。
「…ジェイ?」
ゆっくりと体を起しながら遠慮がちに呼んでみたが、返事はない。
サイドテーブルに視線をやると、手紙が置いてあるのが目に入った。



『昨日はごめん。
朝食の時間が終わっちまうから、置いておく。オレはその辺を散歩してくるから、アイシェはゆっくり寝ててよし』


手紙の横には黒糖パンと山羊のチーズ、山羊のミルクの簡単な朝食が置かれてあった。
ふと、壁に掛けてある時計を見上げるともう昼前だ。
随分と朝寝坊してしまったらしい。
まだ何となく気だるい体を起し、顔を洗って簡単な身支度を済ませると、ジェイが用意してくれていたパンを口にほおばった。
焼いてから随分たっていて少し堅くはなってはいたが、香ばしくておいしかった。
ゆっくりとパンをほおばりながら、アイシェはぼんやりと昨日の事を思い出した。
あんな弱弱しいジェイをはじめて見た。
セイラの事で悲しくないはずなんてないのに、それを決して表に出さず、平然を装っていたジェイ。
ずっと強い人だ、と思っていたので正直驚いた。
そして少しホッとしたのだ。
そういう弱い一面があることを知って、安心したのだ。
だからそんなジェイを見て、放っておけない気持ちになって、気がついたら抱きしめてしまった。
自分でも、びっくりした。


「…私、何であんな事しちゃったんだろう」
恥ずかしさのあまり顔を覆う。
大胆で突拍子もない行動を思い出すと、顔から火が出そうだ。
「合わせる顔がないよ…」

小さい頃から淋しい時や泣きたい時は、いつも祖父ガランが優しく抱きしめてくれた。
早くに両親を亡くしたアイシェは、両親のいる友達をうらやましく思う時もあったが、寂しくはなかった。
厳しくはあるが温かく優しい祖父に育てられ、寂しい時は抱きしめてくれ、嬉しい時は共に喜んでくれる。
村人達もアイシェを娘のように温かく見守ってくれた。
何一つ、寂しい思いはしなかった。
だからジェイが寂しそうにしていた時、思わず抱きしめてしまった。
祖父がいつもそうしてくれたように。


「でも、あんな子どもにするみたいなこと…」
小さい子どもにするならともかく、ジェイは立派な大人の男だ。
聞けば五つも年上だというではないか。
あんな子どもじみた行動をどう思っただろう。
恥ずかしくて合わせる顔がない。
もしかして昨日の事に呆れて、朝早くに出て行ってしまったのではないだろうか。
今度は顔が青くなる。

とにかくジェイを探そう。
もし機嫌を損ねているようなら謝ろう。
アイシェは残ったパンを急いで口にほおばった。



>>To Be Continued


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