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りくそらたのファンタジー小説おきば。
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LOVE PHANTOM第1章   運命の扉-16-
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LOVE PAHNTOM第1章 運命の扉-16-

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朝からとても天気がよかった。
空は抜けるような快晴で、甲板に出ると日差しを照り返す海の蒼が眩しく、ジェイは目を細めた。
ひとりで遅めの朝食を取り、もう朝食はジェイで最後だという食堂のおばさんに頼み込んで、別に一人分の朝食を受け取り部屋に戻る。
アイシェはまだ寝ているようだった。
薄いカーテンの向こうから、規則正しい寝息が聞こえてくる。

昨晩はずいぶん遅かった。
眠っているのを起こしてしまうのは可哀相だ。
ジェイはそっとカーテンを開け枕元にある小さなサイドテーブルに持って帰った朝食を置いた。
そして枕元にメモを置く。
これで目を覚ました時、アイシェが不安がって探したりはしないだろう。
ふとアイシェに目をやると気持ちよさそうに寝息をたてながら、心地よい眠りについていた。



(こんな状況で、よく熟睡できるな…)

見知らぬ男と同じ部屋で、ぐっすりと眠るアイシェは、よほど自分を信用しているらしい。
アイシェの頭をそっと撫でてやる。
頬にかかった長い髪を指で払ってやると、アイシェが「う…ん」と寝返りをうった。
いつまでもその愛らしい寝顔を見ていたい気もしたが、起すと可哀想なので目を覚ますまで外へ出ている事にした。




ジェイは再び甲板へ出ると、船尾に置いてあった樽の上に腰を降ろした。
船尾は波飛沫を上げて、船が通った後を白く残す。
明日の午後には港に着く予定だ。

ジェイはぼんやりと海を見つめた。
昨晩はずいぶんと酒を飲んだ。
もともと何かを忘れたくて飲んでいたのだから、酔いが回っても仕方がない。
アイシェが現れたのは予定外だった。
酒が抜けてなかったといえ、つい口に出てしまった弱音はあまりにも格好が悪い。
まるで母親にすがる小さな子どもだ。
アイシェの胸は温かく柔らかで、とてもいい匂いがした。
母親とはこんな感じなのだろうか。
ふと、そんな風に感じた。
ジェイには物心がつく前から母親がいなかった。
父親に育てられたが、その父も早くに他界した。
優しく全てを包み込んでくれるような暖かさ。
それはもう、随分昔に忘れていたものだった。
アイシェも両親を幼い頃に亡くしていると聞いた。
それでも祖母や村の人々に大事に育てられてきたのだろう。
彼女からはその温かさがにじみ出ていた。
アイシェの胸の中は、自分に安心感と安らぎを与えてくれた。
こんな穏やかな気持ちは、久しぶりだった。


「…つうか、アイシェって、意外に……」
そう言いかけて、ジェイは口元を手で覆う。
女の体の柔らかさも、繋がる気持ちよさも、ジェイはよく知ってる。
5つも年下だからって、軽く見ていた。
あんなあどけない顔をしていても、アイシェは女だ。
見た目が華奢すぎて分かりにくかったけれど、見えない部分に隠された豊かな胸の膨らみは反則だ。
幼さとのギャップが激しすぎる。
「やべ…オレ、変な想像しちまった……」
雑念を払うように頭を何度もかきむしった。
けれど、あの時の柔らかさが何度も思い起こされて消えてはくれない。
アイシェの事をそういう目で、見たくはないのに。
男の性は正直だ。



「おはよ、ジェイ」
突然降ってきた声に、ジェイは驚いて座っていた樽から転げ落ちそうになった。
声のした方にじわりと顔を向けると、きょとんとした表情でアイシェが立っていた。
昨日のことなんて覚えてないかのように、屈託ない顔でアイシェがにこりと笑う。
「…どうしたの?」
まじまじと見つめてくるだけで、返事をしようとしないジェイを不思議そうな顔でアイシェが覗き込んだ。
目が合うとにこりと笑う。



(…無自覚だから、ヤバイんだ。こいつは。
ていうか、誰にでもああいうことをやるのか?)




ジェイは妙に胸がざわざわする気持ちを覚えた。






>>To Be Continued

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