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りくそらたのファンタジー小説おきば。
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LOVE PHANTOM第1章   運命の扉-17-
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LOVE PAHNTOM第1章 運命の扉-17-

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四日目の午後、船は大陸の北東に位置するトロイの港へ着いた。
荷物をまとめ、アイシェを連れて船を降りた。
「ここから陸路でトロイの街を経由して、風の渓谷へ向かう」
「トロイ?」
聞きなれない名前に、アイシェが顔を上げた。
「小さな港街だよ。そこを経由して、少し旅に必要なものを補給してから向かおうと思う」
「まだしばらくかかるの?」
「村が恋しくなったのか? それならちょうどいい」
ジェイが苦笑混じりに覗き込んだ。
ついて来るとしつこかったアイシェは、どうも諦めたらしい。
村の近くまで来ると恋しくなったのだろう。
まだ十台の娘だ、無理もない。
村に返してやるのがアイシェにとって一番いい。
別れを思うと少し残念に感じながらも、行く末を考えるとホッと胸をなで下ろすしかなかった。

「―――ジェイ!!」
呼ぶ声がした。
振りかえると船の向こうにいた小柄な男が手を上げた。
「誰?」
アイシェが目を細める。
見覚えのない男がニコニコしながら、小走りにこっちにやってくるのが見えた。
「オレのダチ」
「ダチ?」
「そ。エド、こっちだ!」
そう言って大きく手を上げる。

「無事、着いてよかった。航海はどうだった?」
エドと呼ばれた男は、ジェイに親しそうに声を掛けた。
小柄で人の良さそうな好青年なエドは、ジェイと同じぐらいの年か少し幼く見える。
赤茶けた髪が、日に当たってますます鮮やかに輝いた。
「この子が?」
「ああ、アイシェだ」
「可愛い名前だね。僕はエドガー。エドって呼んでくれていいよ」
よろしく、と手を差し出す。
「初めての船旅ははどうだった? ジェイと一緒なら、楽しめただろ? こいつ、知識だけは豊富だから困らないはずだ」
アイシェは苦笑する。
楽しくなかったといえば嘘になるが、いろいろあった。
「どうしたんだい?」
アイシェの微妙な表情に、ジェイはくくっと笑いをこらえる。
「君は大陸の西の方の出身なんだって? あっちの人って、もっと日に焼けて浅黒い肌の色をしてたと思ったんだけど…」
エドがまじまじとアイシェを見つめた。
そんなに見つめられると緊張してしまう。
「でもアイシェは全然黒くないよね。西部出身とは思えないほど、白く綺麗な肌してる。可愛いし……ジェイが好みのタイ───」
「エド!」
言葉を遮るように、ジェイはエドの首に腕を回して後ろを向いた。
「なんだよ、ジェイ。僕、何か悪い事言ったか?」
「…余計なこと言うな!」
舌打ち混じりにエドにだけ聞こえるような小さな声で耳打ちした。
「何? ふたりだけで…」
アイシェは不思議そうに首をかしげた。


「ここからだと、村までどれぐらいかかるの?」
アイシェが尋ねた。
「うーーん。僕らだけだと二日程で着くけど、アイシェがいるから三〜四日はかかるかな。早く村に帰りたい?」
「…う、ん…」
帰りたくないわけではないけれど、その後ジェイは────。
そう思うと素直に頷けない。
「それならすぐにでも出発しようか? それとも少し休んでからにするかい?」
「すぐでいいよ」
「そっか。じゃあ行こうか」
そう言ってエドはこっちだよ、と歩き出す。
「船を出すぞーーー!!」
出港の掛け声が港いっぱいに響いた。
「ジェイ?」
立ち止まって船を振り返るジェイに、アイシェが声を掛けた。


「────じゃエド、後は頼んだぞ」
「ああ。そっちも気をつけて」
エドが分かった風な顔で、ひらひらと手を振る。
「…何? どういうこと?」
アイシェが何かを察して、ガバッとエドの袖にしがみついた。
見上げた翡翠の瞳が不安に揺れる。
「ジェイはこのまま北に行く船で、航海を続けるそうだよ。代わりに僕が君を村まで送って────アイシェ!?」
話もそこそこにアイシェは走り出した。





(────どうして!?)

ジェイが船へ入ろうとするのが見えた。
最後の乗客を確認して、船への架け橋が取り除かれる。
「ジェイっ!!」
ありったけの大きな声で名前を呼んだ。
「ジェイっ!!」
その声に気づいてジェイが振り返った。
「どうして…っ、どうして行っちゃうの…っ!?」
泣き出しそうな表情でジェイの腕を掴んで引き戻す。
「急いで北へ行かなきゃならねーんだ。後の事はエドに頼んであるから。オレじゃなくても大丈夫だろ?」
優しく微笑みかけて、わしゃわしゃっと乱暴にアイシェの頭を撫でた。
「でもっ…!」
「兄ちゃんら、船が出るから危ないぜ! 下がって下がって!」
「俺、その船乗るんだ」
「それなら早くしてくれ。もう出発だ」
「ああ」
「ジェイっ!!」
必死でジェイの腕を掴んだ。
この手を離せば、この人は行ってしまう。


ぐっと。
その腕が掴まれジェイの方に引き寄せられた。
トン、と頬に唇が触れる。
「────ジェ…!」
弾かれたように身体を突っぱねて、真っ赤でアイシェが頬に手を当てた。
「旅の路銀代わりにもらっておくよ」
「路銀、って…あ…!!」
次の瞬間、ほとんどしまりかけた船の桟橋にジェイは勢いよく飛び移った。
「ジェイ…っ!!」

ボーーーーーッ!!
船の汽笛が港いっぱいに響く。
「じゃあな、アイシェ。…頑張れよ!」
そういい残して、ジェイを乗せた船は港を離れていく。
ジェイのように船に飛び移るなど、アイシェには到底無理だ。
「ジェイ…っ!!!」
声が風に消え行く雲のように、船の汽笛にかき消される。


「…何が路銀よ…っ、ジェイの、バカ……っ」
アイシェは唇を強く噛締めて、船が見えなくなるまでずっと見送った。
涙が、止まらなかった。


「…そろそろ行こうか?」
船が見えなくなっても、いつまでも海を見つめるアイシェに、エドがそっと声を掛けた。
「陽が落ちる前に、街道を抜けた方がいい。夜は魔物がうろついて危険だから。それとも今晩この港で休んで、明日の朝出発するかい?」
「…ううん。行くわ。ありがとう」
アイシェはそう言って涙を拭いて、立ち上がった。




>>To Be Continued
| LOVE PHANTOM 第1章 | 09:53 | comments(2) | - |
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わわわwwwっ堯福д○)つ、ついにぃ〜〜〜!!
はわぁ〜おもしろかったです〜。
絵もめちゃんこかわいぃです(*´∀`*)
あぁ、わたしとっても幸せですwww
ってか、ジェイ!!なんでwww(T∧T)
次もとても楽しみです!!!
これからも、かんばってください★☆

| なつみ | 2007/02/04 19:37 |
★☆★なつみさんへ★☆★
大変おまたせしました〜(笑)楽しんでいただけてよかったです(*^_^*)
なつみさんのコメントに私も幸せです〜♪やっぱり読んでおもしろかったと言っていただけるのが一番の励みになります!
イラストも褒めていただいて、相方もきっと大喜びです。かわいくてかっこよくてちょいエロで(笑)私も気に入っています♪♪
こちらのブログはスローペースの更新になりますが、週一ぐらいにはUPしていく予定です。ジェイもまたそのうちでてきますので(笑)また楽しみにしておいてくださいませ。
| りくそらた | 2007/02/05 09:32 |









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